返信文を作りたいのではなく、店の顔を取り戻したかった。 の挿絵

「ああ、クチコミ返信を作ってくれるツールですね」

間違いではありません。

実際に、クチコミへの返信案を作る機能があります。
自分で書いた返信が、第三者からどう見えるかを確認する機能もあります。
店名から、Googleマップ上の見え方を診断する機能もあります。

機能だけを並べれば、たしかに「返信を書く道具」です。

でも、それだけだと言われると、少し悔しい。

子どもの頃に一生懸命描いた絵を見せたら、
「あ、赤いクレヨン使ったんやね」
と言われるような感じです。

いや、そこも見てくれてありがとう。
でも、見てほしかったのはそこだけではない。

本当にやりたいことは、返信文を増やすことではありません。

店の顔を整えることです。

クチコミ返信というのは、その場しのぎで書くと、どうしてもブレます。

忙しい日は短くなる。
疲れている日は硬くなる。
腹が立っている日は、少し刺が出る。
良いクチコミには、つい定型文で返してしまう。
悪いクチコミには、必要以上に小さくなってしまう。

人間ですから、当然です。

私もそうです。

いつでも落ち着いて、上品に、温かく、完璧な文章が書ける人間ではありません。

そんな人がいたら、店より寺を開いたほうがいいと思います。

でも、お客様から見ると、その時の返信が店の顔になります。

忙しかったかどうかは、見えません。
疲れていたかどうかも、分かりません。
たまたま腹が立っていたことも、伝わりません。

ただ、その言葉だけが残ります。

だから、返信を書く前に、一度立ち止まれる場所が必要だと思いました。

この返信は、投稿者に届くか。
これから来る人が読んでも安心できるか。
店の言葉として、強すぎないか。
弱くなりすぎていないか。
人柄が見えるか。
言い訳に見えないか。
機械的に見えないか。

そうやって確認できるだけで、返信はかなり変わります。

FRONTCASTは、文章を自動で出して終わる道具にしたくありません。

店が自分たちの言葉を見直すための鏡にしたい。

鏡というのは、便利ですが、少し残酷です。

髪が乱れていれば分かる。
顔が疲れていれば分かる。
思ったより老けて見える日もある。

余計なお世話です。

でも、ありがたい。

Googleマップ上の返信も同じです。

自分では丁寧に書いたつもりでも、読んだ人には冷たく見えることがある。
ちゃんと説明したつもりでも、言い訳に見えることがある。
無難にまとめたつもりでも、店の顔が消えていることがある。

そこに気づけるだけで、店の姿勢は整っていきます。

FRONTCASTは、返信を書く道具ではありません。

返信を通じて、店の顔を取り戻す道具です。

Googleマップの中にも、ちゃんとその店らしい人柄が残る。

その状態を作りたかったのです。